失敗するチャンス

 

最近、失敗について考えることがある。
「失敗は成功の母」という言葉が表すように、人という生き物は往々にして失敗を恐れ、次はどうすれば失敗しないのかに腐心してきたのではなかろうか。
失敗を恐れないのはただの蛮勇だ。失敗から学び、どう活かせるかを考えるのが知恵だ。
自分も歳を重ねるごとに、いかに立ち回れば失敗を回避できるか、という思想が強くなっているように思う。

だが同時にこうも思う。それは失敗するチャンスを失っているのではないか、と。

例えるなら子どもが新しい何かを始めようとしたとき、親心から先に失敗しそうなところをかいつまんで説明したとする。
何も事前知識がない場合よりもはるかに成功の確率は上がるだろう。
だが、それは同時に自ら失敗する中で学ぶチャンスを奪っているようにも思える(当然、命に関わることや危険なことを排除することは前提として)。
魚そのものではなく魚の釣り方を教えることが肝要ではないだろうか。
教えるという言い方すらおこがましいのかもしれないが……。

自分の人生についてもそれは同様で、いわゆる「ビビって何も行動しない」状態に陥るのが一番損失が大きいことではないかと最近は考えるようになったため、自分から失敗するチャンスを作っていきたいと思う。